自作分離キーボード Helix を組み立ててみた

自作分離キーボード Helix を組み立ててみた

Clock Icon2019.09.21

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こんにちは、CX事業本部の夏目です。

夏に入った頃から、福岡オフィスの田辺さんに分離キーボードを借りて色々と遊んでいたのですが、使い勝手良かったので自分でも作ってみました。

Helixキーボード

Helix キーボードキット

ロープロファイルスイッチ対応の自作キーボードキットです。 はんだ付けが必要ですのでご注意ください。 特徴 ・格子配列 ・左右分割型(片手デバイスも可)

今回作る分離キーボードはHelixというものです。
ないん@pluis9さんが設計した日本発の自作分離キーボードで、特徴は以下のとおりです 。

  • 格子配列
  • 左右分割型(片手デバイスも可)
  • Cherry MX互換、ALPS/Matias、Kailhロープロファイルスイッチに対応
  • 5行か4行を選択可
  • RGBバックライト対応 *1
  • Underglow対応 *1
  • OLEDモジュール対応
  • 左右を繋ぐケーブルは3極のオーディオケーブルを使用(4極でも問題ありません)
  • ファームウェアはQMKを使用
  • 薄さを追求
  • オープンソース (リンク)

[GB] Helixキーボードキット 日本発分離型キーボード | techsp

Helixとは ないん@pluis9さん設計による日本発の分離型自作キーボードです。 分離というのは、キーボードが真っ二つに分かれているんです。実はこうした分離型キーボードは以前からあって、オープンソースのErgoDoxが有名でした。その後、RedditのメカニカルキーボードのフォーラムでLets ...

流行りの分割キーボード Helix を作った - はのちゃ爆発

Helix はいいぞ。 最近自作キーボードという文化が急激に世間に広まってきているようで、いろいろなところでキーボードを自作した人、キーボード自作本を購入する人を見かけるようになりました。 そんな今熱い自作キーボード界でも特にアツいのが "Helix" です。 今日はそんな Helix をGB(Group Buy, 共同購入 )し、実際に組み立ててみました。

借りて使っていたのですが、自分でキーマップをいじったりすると凄く便利で、自分のが欲しくなったので作成してみました。

必要なもの

必要なものは、

  • Helix キーボードキット | 遊舎工房
  • キースイッチとキーキャップ (対応しているものから好きなものを選ぶ)
  • はんだごて (バックライトモデルの場合は温度調節できるものが必要)
  • はんだごて台 (こて先をきれいにできるもがついているとなお良い)
  • ハンダ吸い取り線とハンダ吸い取り器 (一度つけたハンダを修正するときとか)
  • フラックス (はんだの離れをよくするもの、らしい。あると非常にやりやすい)
  • ピンセット (ダイオードやバックライト用のLEDが細かいので必要)
  • ドライバー (アクリル番とかで必要になる)
  • マスキングテープ (はんだ付けの際に固定するのに使う)

他次のページを参考に準備するといいと思います。

キーボード自作、特に Helix キーボードキットの製作に最低必要な工具のメモ

実は今回作成をする際に、コテ台とかこて先をきれいにするものとかなしで作成し(てしまっ)たのですが、凄くやりにくかったので準備したほうがいいと思います。

組み立て

GitHubにHelixのビルドガイドがあるのでこれに従って作成していきます。
ここに一部手順は書いていきますが全部は書かないので、実際に組み立てる際にはビルドガイドを見てください。

MakotoKurauchi/helix

下記は1つ作るのに必要な部品の数です。両手分を作るには2セット必要です。 制作を始める前にどのような構成にするか決めておく必要があります。 PCBを切断することによってデフォルトの5行から4行へ変更することができます。 テープLEDを使用したUnderglowか、チップLEDを使用するバックライトを選択します。 以降は左手用で説明します。右手用はPCBを反転して下さい。 ...

ダイオードをつける

米粒程度しかないダイオードを裏側に表面実装していきます。
非常に小さいのですが、向きがあるので間違えないように注意しましょう。
(PCB上のダイオードの向きは全部同じでした)

先にPCBにダイオードの片側用のはんだを乗せて、はんだを溶かしながらダイオードを乗せて位置を調整し、最後にもう片方のはんだをつけると簡単につけられます。

LEDをつける

バックライトモデルの場合は、裏側にLEDをつけていきます。
LEDは熱に弱いので270℃に設定して作業をしていきます。
(ビルドガイド上は220℃になってますが、遊舎工房ので作業した際270℃で作業して問題ないといった感じに言われて作業しました)

ダイオードと同様にLEDにも向きがあるので、注意しましょう。
(ダイオードと異なり一行ごとに向きが反転するので注意してください。自分は間違えました)

このLEDのはんだ付けが結構難しくて後述するPro Microをつける工程を先にして、LEDの動作確認をしながら作業をしたほうがいいかもしれません。
(テスターとかあればPCに繋げないで動作確認できるそうですが、自分はPCにつないで動作確認をしました)

動作確認をした際にLEDが点灯しない場合、点かないLEDとその前後のLEDのはんだ付けに問題があると思われます。
地道にデバッグしていきましょう。

Pro Microとリセットスイッチをつける

自作キーボードの頭脳であるPro Microをつけます。
スプリングヘッダという治具をつかってPCBにつけます。
これを使うとPCB側にははんだ付けせずにPro Microをつけることができるので、簡単にPro Microを外すことができます。
(実はPro Microはこわれやすいとか)

Pro Microとリセットスイッチさえつければ、ファームウェアを焼くことができるのでLEDの動作確認などができるようになります。

キースイッチをつける

マウントプレートをはさんでキースイッチをPCBにキースイッチをつけます。

この工程も丁寧にやった方がいいです。
ここでキースイッチが少し浮いたりすると、キーキャップをつけたときに微妙にでこぼこしてしまいます。
(自分のキーボードは若干でこぼこしているので作り直したいなぁと思うこともあります)

完成

キースイッチをつけたあとも、スペーサーとアクリル板をつけたりがありますが、完成するとこうなります。

あとは、ファームウェアを焼き込んで使うだけです。

おまけ

実際につくってたことがある人がいないと正直難しい

初心者には難しいことが多いので、経験者がいる状態で進めた方が安全です。

東京に住んでいるのであれば、遊舎工房に行って組み立てるのもいいかもしれません。
(実際自分はPCBを少し破損してしまって、買い直しかなぁと思っていたら遊舎工房の人が職人技としか思えない方法で直してくれました)

OLEDモジュールで軽く遊んでみた

HelixにはOLEDモジュールをつけることができます。   デフォルトでは、PCと直接繋げない右手側にはHelixのロゴが表示されているのですが、任意の絵を表示させるためのウェブツールが公開されています。

Helix OLED Dot Maker

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HelixのOLED表示を簡単にカスタマイズするサービスを作った - Qiita

この記事は、 Treasure Advent Calendar 2018 の7日目の記事です! 自作キーボード関連の記事を書きたいなぁと考えていて、ちょうど作りたいサービスが思いついたので作ってみました。 自作キーボード「Helix」をカスタマイズするサービス Helix OLED Dot Maker を紹介します。 まずは、自作キーボード「Helix」について紹介します。 ...

とりあえず自分は、クラスメソッドの文字とロゴを表示させてみました。

QMKファームウェアの自動ビルド

Helixで使用するファームウェアはQMKと呼ばれるもので、GitHubで公開されています。

qmk/qmk_firmware

This is a keyboard firmware based on the tmk_keyboard firmware with some useful features for Atmel AVR and ARM controllers, and more specifically, the OLKB product line, the ErgoDox EZ keyboard, and the Clueboard product line. The docs are hosted on Gitbook and GitHub (they are synced).

自作のキーマップを使用したいときはリポジトリをForkして自分用の設定を書いたりします。
そのあたりの設定方法はHelixのリポジトリにも記載があります。

helix/firmware_jp.md at master · MakotoKurauchi/helix

MakotoKurauchi/helix

QMK Toolbox を使えばビルドなどの手順を踏まずにキーボードとしての動作を確認出来ます。

qmk_firmwareのリポジトリにはDockerを使ってビルドするためのDockerfileがおいてあります。
そこで、GitHubにPushすると自動的にビルドする仕組みをCircleCIで作りました。

もしよかったらつかってみてください。
(BUILD_TARGETを自分のキーマップをビルドするように書き換えればそのまま使えます)

version: 2.1

references:
  primary_containers: &primary_containers
    docker:
      - image: circleci/buildpack-deps:18.04

  build_steps: &build_steps
    steps:
      - checkout
      - setup_remote_docker
      - run:
          name: build
          environment:
            CONTAINER_NAME: qkm_firmware
            BUILD_TARGET: "helix:luciferous_helix"
          command: |
            set -x
            docker image build -t $CONTAINER_NAME .
            docker container run --name $CONTAINER_NAME $CONTAINER_NAME make $BUILD_TARGET
            docker container cp $CONTAINER_NAME:/qmk_firmware/.build .
            docker container rm $CONTAINER_NAME
            cd .build
            ls -F | grep / | xargs rm -rf
      - store_artifacts:
          path: .build

jobs:
  build_helix_luciferous_helix:
    <<: *primary_containers
    <<: *build_steps
    environment:
      BUILD_TARGET: helix:luciferous_helix

workflows:
  version: 2
  build:
    jobs:
      - build_helix_luciferous_helix

まとめ

自作分離キーボードHelixを組み立ててみました。
仕事でPCを使う場合、キーボードは絶対に使うものにはなるのでこだわってみてはいかがでしょうか?

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